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回旋筋腱板損傷には,挫傷,腱炎,および部分断裂または完全断裂などがある。
回旋筋腱板は,棘上筋,棘下筋,小円筋,肩甲下筋(SITS)から成り,腕を頭上に上げる運動動作(例,投球,水泳,重量挙げ,ラケットを使うスポーツでのサーブ)の間,肩甲骨関節窩の上腕骨の安定を助ける。障害は,挫傷,腱炎,または部分断裂もしくは完全断裂を生じうる。
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腱炎は通常,上腕頭骨と烏口肩峰アーチ部(肩峰,肩鎖関節,烏口突起,および烏口肩峰靭帯)の間における棘上筋腱の摩擦で生ずる。この腱は,上腕骨大結節と腱の付着部付近に血流が乏しい部分があるため,特に影響を受けやすいと考えられている。結果として生じる炎症反応および浮腫が,さらに肩峰下腔を狭め,進行を早める。進行を阻止しなければ,腱炎,線維症,ときに部分断裂または完全断裂に至ることがある。変性性の回旋筋腱炎は,同様の理由で,年配(40歳以上)の運動選手でない人の間でよく起こる。肩峰下(三角筋下)滑液包炎は,一般的に回旋筋腱板損傷が原因で生じる。
症状,徴候,診断
滑液包炎の症状には,肩の痛み(特に頭上に腕を上げたとき)および肩の脱力などがある。通常,痛みは80〜120度の肩の外転または屈曲(運動の有痛孤)を行ったときに激しくなり,80度未満か120度以上では最小限か存在しない。徴候は重症度によって異なる。腱の部分断裂および腱炎も,類似の症状を引き起こす。
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診断は病歴聴取および身体診察により行う。回旋筋腱板は直接触診できないが,特定の筋肉をテストする方法によって間接的に評価できる;有意の痛みまたは脱力があれば,陽性とみなされる。
棘上筋は,母指が下向きの状態で前方挙上した腕を下に押す圧力に対して,患者に抵抗させることによって評価する("empty can"test)。
棘下筋および小円筋は,患者に肘を90度に屈曲した状態で腕を体側につけさせ,抵抗に対して外旋を試みさせることで評価する;この姿勢は,回旋筋腱板の筋肉機能を他の筋肉(例,三角筋)機能から孤立させる。このテスト中に脱力があれば,回旋筋腱板の機能不全(例,完全断裂)が示唆される。
肩甲下筋は,患者に抵抗に対して内旋を試みさせることで,または手の甲を背中につけさせ,その手を背中から離させること(lift-off test)で評価する。
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その他のテストには,アプレー(Apley)・スクラッチ・テスト,ニアー(Neer)・テスト,およびホーキンス(Hawkins)・テストなどがある。アプレー・スクラッチ・テストでは,患者に手で反対側の肩甲骨に触ることを試みさせることで,肩の可動域を調べる:頭上から,首の後ろ,反対側の肩甲骨へと指先を伸ばすことで,外転および外旋を検査する;下から,背中を通って,反対側の肩甲骨へと手の甲を伸ばすことで,内転および内旋を検査する。ニアー・テストでは,烏口肩峰アーチ部の下の回旋筋腱板の腱の摩擦を調べる;患者の腕を完全に内回させて強引に屈曲する(腕を頭上に持ち上げる)ことによる。ホーキンス・テストも摩擦を調べる;腕を90度まで上げて,肩を強引に内回させることによる。
肩鎖関節,胸鎖関節,頸椎,二頭筋腱,および肩甲骨は,圧痛または変形の有無を調べるために,また,それらの部位に関連する問題を除外するために,触診すべきである。
頸椎から肩への関連痛が生じることがある(特にC5神経根障害を伴う場合)ため,いかなる肩の評価でもその一部として頸部の診察を常に行うべきである。
回旋筋腱板損傷が疑われる場合,MRIまたは関節鏡検査もしくはその両方を用いて,さらに評価する場合がある。
治療
ほとんどの場合,安静にして,強化運動を行うことで十分である。手術は,損傷が重度(例,完全断裂)であれば必要なこともある(特に若い患者の場合)。
最終改訂月 2005年11月
最終更新月 2005年11月
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